影縫余弦のMBTIはESTP|全力を出し切れる場だけを選ぶ、という職業選択(優位機能:Se)
起業家物語シリーズ / 独立した怪異の専門家/実家は神社「陰隲寺」 ・ 不死身の怪異の専門家・陰陽師(二つ名「怪異転がし」)
影縫余弦のMBTI
ESTP(起業家)
影縫余弦は〈物語〉シリーズに登場する独立した怪異の専門家で、不死身の怪異を専門とする陰陽師です。
- E外向型
- S感覚型
- T論理型
- P探索型
影縫余弦(ESTP)の性格
影縫余弦は〈物語〉シリーズに登場する独立した怪異の専門家で、不死身の怪異を専門とする陰陽師です。二つ名は「怪異転がし」、自称は「日本初の格闘派陰陽師」。京都府内にある不死身の怪異専門の神社「陰隲寺」の跡継ぎで、代々この分野を扱ってきた家系に生まれました。高校三年生のときに臥煙伊豆湖から計画へ招かれ、のちの大学時代には忍野メメ・貝木泥舟と同じオカルト研究会に所属しています。
式神・斧乃木余接を使役し、初登場となる『偽物語』「つきひフェニックス」編では、不死の怪異である阿良々木月火を「殺す」ために阿良々木家周辺へ現れました。呪いにより地面の上を歩けないため、屋外ではポストや電柱、木の上をつたって移動するという独特の姿でも知られます。
影縫が不死身の怪異を専門にしている理由は「やり過ぎるということがないから」だとされます。
なぜESTPなのか
影縫余弦をESTPと判断した根拠を、作中の描写にそって整理します。
全力を出し切れる場だけを選ぶ、という職業選択(優位機能:Se)
影縫が不死身の怪異を専門にしている理由は「やり過ぎるということがないから」だとされます。相手が死なないのだから加減がいらない、つまり自分の身体能力を上限まで解放できる場所を仕事に選んでいるわけです。報酬には興味がなく、不死身の怪異を殺すことにだけ関心が向いています。ESTPの優位機能Se(外向的感覚)は、いま目の前の現実へ全身で踏み込み、その手応えそのものを動機にする機能です。
込み入った術式より肉弾戦を好み、身体能力を極限まで高めた阿良々木暦ですら軽く殺しかけるほどの腕前を持つという描かれ方も、この機能が真正面から出た姿といえます。屋外で電柱やポストの上に立って会話する場面が絵になるのも、彼女が常に身体で場所を取る人物だからです。
陰陽師でありながら、いちばん効く手段として拳を選ぶ(補助機能:Ti)
影縫は陰陽師としての専門知識を持ちながら、込み入った術より肉弾戦を選びます。これは技術がないからではなく、自分にとって最も確実な手段はどれかを自分の理屈で判断した結果です。実際、阿良々木暦とその妹・火憐に憑いた怪異を一目見ただけで見抜くという鑑定力も併せ持っています。ESTPの補助機能Ti(内向的思考)は、外側の作法や体裁ではなく、内側の理屈で最短の解を選び取る働きです。
代々不死身の怪異を扱ってきた家に生まれ、「日本初の格闘派陰陽師」を自称するという立ち位置そのものが、伝統の型より自分が正しいと考える方法を優先した結果でしょう。斧乃木余接の製作に下半身を担当したという事実にも、必要なら自分の手で作るという実務の感覚が表れています。
悪意はないのに、距離感が測れない(第三機能:Fe)
補助ソースの記述によれば、影縫は空気や人の感情を読むことができません。根は悪意がなく、生来マイペースで飄々としているのに、相手がどう受け取るかという計算が抜け落ちます。初対面の阿良々木暦を「そこな鬼畜なお兄やん」と呼びかける場面が象徴的で、京都弁の軽い口調と丁寧な言い回しでありながら、内容は失礼そのものです。
ESTPの第三機能Fe(外向的感情)は、場の空気や他者の感情を扱う部分ですが、優位機能や補助機能ほど精度が高くありません。人と関わること自体は好んで踏み込んでいくのに、踏み込んだ先で相手がどう感じるかは後回しになる。この噛み合わなさが、彼女の会話の独特の温度をつくっています。
先の絵図は他人に任せ、目の前の一戦に集中する(劣等機能:Ni)
影縫の関心は、いま自分が殺せる怪異があるかどうかに集中しています。報酬には興味がなく、長期的な利害や組織づくりにも動きません。『接物語』で大きな計画に加わったのも、彼女が絵を描いたからではなく、臥煙伊豆湖に招かれたからでした。ESTPの劣等機能Ni(内向的直観)は、先を見通して一つの帰結像を組み立てる働きで、このタイプが最も苦手とする領域です。
式神製作の代償として地面の上を歩けない呪いを負い、屋外ではポストや電柱をつたって移動するという不便を抱えながら、それを「仕方がない」ものとして受け入れているのも、過去や将来の意味づけに時間を使わない姿勢の表れといえます。彼女はいつでも現在形で生きています。
名場面と名言・名セリフ
軽い口調のまま、いきなり間合いへ踏み込む
そこな鬼畜なお兄やん。ちぃと訊きたいことがあるんやけど、かめへんかな?
『偽物語』で阿良々木暦に呼びかけた初対面の言葉です。許可を取る形の丁寧な言い回しでありながら、相手を「鬼畜なお兄やん」と決めつけているという、ちぐはぐな一言になっています。ESTPの優位機能Se(外向的感覚)は、まず場へ踏み込んで反応を見る働きで、影縫は名乗りも前置きも省いて距離を詰めました。同時に、相手がどう感じるかを測る第三機能Fe(外向的感情)が追いついていないことも見て取れます。
悪意はないのに失礼になる、この人物の会話の癖がよく表れた場面です。
価値観は自由、押し付けだけは許さない
おどれがどんな価値観持とうと。どんな正義感持とうと勝手やけれど、そんな理想を他人に押し付けんなや!
他人の理想を突きつけられた場面で放たれた、影縫の信条を示す一言です。相手の価値観そのものは否定せず、それを他人に強いる行為だけを拒むという線の引き方をしています。ESTPの補助機能Ti(内向的思考)は、外から与えられた正しさをそのまま受け取らず、自分の理屈で判断する働きです。影縫は不死身の怪異を殺すという自分の基準だけで動き、報酬にも大義にも関心を示しません。
他人の物差しに従わないかわり、他人へ自分の物差しを押し付けもしない。その徹底した対等さが、この叫びの根拠になっています。
認知機能のスタック
4つの認知機能がどの順で働いているかを見ていきます。
Se(外向的感覚)— 影縫は、身体で現実に触れることを何より優先する人物です。不死身の怪異を専門にする理由が「やり過ぎるということがないから」だという点に、その性質が凝縮されています。相手が死なないなら全力を出し切れる、という発想は、加減のいらない場所を求めるSeそのものです。込み入った術式より肉弾戦を好み、身体能力を極限まで高めた阿良々木暦ですら軽く殺しかけるほどの腕前を持ちます。阿良々木暦と火憐に憑いた怪異を一目見ただけで見抜く観察力も、理論から演繹するのではなく、その場で捉えた情報から即座に答えを出す型です。報酬に興味がないという点も、行為そのものが目的になっているSe優位らしい動機構造といえます。
Ti(内向的思考)— 陰陽師でありながら術より拳を選ぶという判断は、彼女が自分の理屈で手段を決めていることを示します。伝統ある家系に生まれ、代々不死身の怪異を扱ってきた陰隲寺の跡継ぎでありながら、「日本初の格闘派陰陽師」を自称して独自の路線を敷きました。Tiは外の作法や体裁ではなく、内側で組み立てた筋道に従って最短の解を選ぶ機能です。「そんな理想を他人に押し付けんなや」という言葉も、他人の正しさを自分の判断の代わりにしないという、Ti的な自律の宣言として読めます。オカルト研究会での式神製作で下半身を担当したように、必要なら自分の手を動かして構造ごと作ってしまう実務性も、この機能に支えられています。
Fe(外向的感情)— 影縫は空気や人の感情を読むことができないと説明されますが、根に悪意はなく、生来マイペースで飄々としています。人に対して閉じているのではなく、関わり方の精度が低いのです。初対面の阿良々木暦へ「そこな鬼畜なお兄やん」と呼びかける言い回しは、許可を取る丁寧さと失礼な決めつけが同居しており、Feが第三機能として中途半端に働いている状態をよく表しています。京都弁の軽口で距離を詰めること自体は得意でも、詰めた先で相手が何を感じるかは計算に入りません。式神の斧乃木余接から「お姉ちゃん」と呼ばれる関係も、情緒的な世話というより、同じ現場に立つ相棒としての距離感に見えます。
Ni(内向的直観)— 長期の見通しを立てて一つの帰結へ人や状況を導くことは、影縫がもっとも手を出さない領域です。彼女は報酬にも組織にも関心を示さず、いま殺せる不死身の怪異があるかどうかだけで動きます。『接物語』の大きな計画に加わったときも、絵を描いたのは先輩の臥煙伊豆湖で、影縫は招かれた側でした。Niは劣等機能として、意味づけや将来設計を後回しにさせます。式神製作の代償として地面の上を歩けない呪いを負い、ポストや電柱の上をつたって移動する不自由を抱えながら、それを「仕方がない」ものとして処理してしまう姿勢も、過去の因果や先の見通しに深入りしない現在志向の現れといえるでしょう。
人間関係と相性
影縫余弦と関わりの深い人物との相性を、性格タイプの観点から見ていきます。
阿良々木月火(ESFP)── ESTPとの相性
影縫にとって阿良々木月火は、退治すべき不死身の怪異として立ち現れた相手です。『偽物語』「つきひフェニックス」で、影縫は不死の怪異である月火を「殺す」ために阿良々木家周辺へ現れました。影縫は不死身の怪異を専門とする陰陽師で、二つ名は「怪異転がし」。呪いにより地面の上を歩けないため、屋外ではポストや電柱、木の上をつたって移動します。
一方の月火は「栂の木二中のファイヤーシスターズ」を名乗る自称「正義の味方」の参謀担当で、その正体は「しでの鳥」という不死鳥の怪異ですが、本人に自覚はありません。二人はどちらも優位機能にSe(外向的感覚)を持ちながら、その使い道が正反対に置かれています。影縫のSeは補助機能Ti(内向的思考)と組み、不死身かどうかという条件で対象を選び、加減のいらない相手にだけ全力を向けます。
対して月火のSeはFi(内向的感情)と組み、自分の正義感や好悪という私的な基準で反応します。条件で動く側と感情で動く側が真正面からぶつかるため、この対面は交渉として成立しにくい構図になります。影縫の第三機能Fe(外向的感情)が相手の受け取り方を計算に入れないぶん、彼女の言い分は月火の側の事情をまったく汲まない形で届くことになると読めます。
斧乃木余接(ISTP)── ESTPとの相性
斧乃木余接は影縫に使役される式神で、二人は主従であると同時に、同じ現場に立つ相棒でもあります。斧乃木は死後およそ百年にわたって使われ続けた死体の付喪神で、身体は複数の遺体を継ぎ接ぎして作られています。「余弦」「余接」というそれぞれの名はいずれも三角関数に由来しており、二人が同じ系譜に属することが名前そのものに刻まれている関係です。
MBTIの観点では、ESTPとISTPは同じ四つの認知機能を順番違いで共有する組み合わせにあたります。影縫はSe(外向的感覚)が先に立ち、まず場へ踏み込んでから自分の理屈で処理します。斧乃木はTi(内向的思考)が先に立ち、必要な判断を済ませてから最小限の動きで片をつけます。順番が違うだけで用いる機能が同じなので、二人のやりとりは長い説明をほとんど必要としないと説明できます。
加えて、どちらもFe(外向的感情)を下位に置くため、情緒的な確認や気遣いの応酬がほぼ発生しません。普通なら素っ気なく見えるその噛み合い方が、この主従では摩擦の少なさとして働いていると読めます。
臥煙伊豆湖(ENTJ)── ESTPとの相性
臥煙伊豆湖は、影縫を専門家の世界へ引き入れた先輩にあたる人物です。影縫は高校三年生のときに臥煙から計画へ招かれ、のちに大学では忍野メメ・貝木泥舟と同じオカルト研究会に所属しました。臥煙はそのオカルト研究会を大学時代に結成した先輩であり、現在は後輩たちから情報を吸い上げて動かす専門家ネットワークの元締めです。
この関係は、MBTIの観点ではきれいな補完として説明できます。臥煙の優位機能Te(外向的思考)と補助機能Ni(内向的直観)は、先に結末の像を掴み、そこへ人と情報を配置していく組み合わせです。対して影縫は劣等機能がNi(内向的直観)にあたり、長期の絵図を自分で描くことをしません。描く人がいて初めて、影縫の優位機能Se(外向的感覚)は最も効く場所へ差し向けられます。
ただし影縫の補助機能Ti(内向的思考)は他人の物差しをそのまま受け取らないため、命令に従っているというより、提示された条件が自分の関心と一致する限りで乗っている関係と見るのが妥当でしょう。上下があるのに従属になっていないのが、この二人の距離感です。
手折正弦(INTP)── ESTPとの相性
手折正弦は影縫と同じ大学のサークル同期であり、ともに不死身の怪異を専門領域とする同業者です。『接物語』では、手折家が影縫家の分家であることが明かされました。「正弦」「余弦」という二人の名がどちらも三角関数に由来する点にも、同じ系譜に連なる者同士という関係が表れています。二人が共有しているのはTi(内向的思考)です。
影縫はそれを補助機能として、手折は優位機能として持っています。ただし外へ向く機能が異なるため、同じ専門領域を扱いながら手つきが正反対になります。影縫の優位機能Se(外向的感覚)は、目の前の相手へ身体ごと踏み込んで決着をつける働きです。手折の補助機能Ne(外向的直観)は、相手が立っている前提そのものを疑う問いを差し込む働きです。
片方は現在形で片付け、片方は枠組みを組み替える。同じ家系から分かれた二人が、不死身の怪異という同じ題材にこれほど違う入り方をするところに、優位機能の違いがよく出ていると言えるでしょう。