忍野忍のMBTIと名言・名セリフ|ENTJ・怪異の王として、従僕に死を命じる
指揮官物語シリーズ / 阿良々木暦の影 ・ 元・吸血鬼/怪異の王にして最強の怪異
忍野忍のMBTIと名言・名セリフ
ENTJ(指揮官)
忍野忍は西尾維新〈物語シリーズ〉に登場する元・吸血鬼で、本名をキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードといいます。
- E外向型
- N直観型
- T論理型
- J計画型
忍野忍(ENTJ)の性格
忍野忍は西尾維新〈物語シリーズ〉に登場する元・吸血鬼で、本名をキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードといいます。「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」「怪異の王にして最強の怪異」と呼ばれた全盛期には、その気になれば10日で世界を滅ぼせるとされる存在でした。約598歳。金髪金眼で白い肌を持ち、見た目は8歳ほどの幼女でありながら「〜のじゃ」「お前様」という老人口調で話します。
人間だった頃は王国の貴族令嬢アセロラ姫で、「うつくし姫」と呼ばれ愛されていました。『傷物語』で吸血鬼ハンターに四肢を奪われ瀕死となったところを阿良々木暦に救われ、最終的に名前と力の大半を失って、暦の影に棲む従僕であり主人でもある存在へと転落します。『猫物語(黒)』でブラック羽川を鎮めた功績に対し、忍野メメから「忍野忍」の名を与えられました。
キスショット時代の彼女は「高慢横柄で饒舌」と評され、暦を眷属としたあとも一貫して命令する側に立ち続けました。
なぜENTJなのか
忍野忍をENTJと判断した根拠を、作中の描写にそって整理します。
常に命じる側に立ち、他者を役割として配置する(優位機能:Te)
キスショット時代の彼女は「高慢横柄で饒舌」と評され、暦を眷属としたあとも一貫して命令する側に立ち続けました。『傷物語』では、人間に戻りたいと望んだ暦に対して、三人の吸血鬼ハンターから自分の四肢を取り戻してくるよう命じています。最初の眷属である死屍累生死郎を「初代怪異殺し」として世に出したのも彼女でした。
ENTJの優位機能Te(外向的思考)は、目的に対して人と手段をどう配置すれば結果に届くかを判断し、外の世界を実際に動かす機能です。頼むのではなく命じる、相談するのではなく決定する。力を失って忍となった後も、暦を「お前様」と呼びながら対等以上の口をきき続けるところに、この構えは残っています。
六百年近くぶれない一つの目的を持ち続ける(補助機能:Ni)
彼女が掲げる最終目標は「太陽打倒」で、これは吸血鬼としての力をほぼ失って忍野忍になっても変わっていません。約598年という時間を通して同じ一点を見続けているわけです。ENTJの補助機能Ni(内向的直観)は、断片から一つの帰結像を掴み、そこへ向けて長い道筋を引く機能です。『傷物語』の終盤で彼女は、暦が人間に戻るには自分を殺すしかないと理解したうえで、あえて人を食う場面を見せて暦にそれを促しました。
表向きの残虐さの裏に、先に描いた結末へ相手を誘導するという段取りが敷かれていたわけです。目の前の勝敗ではなく、その先に何が残るかで動く思考の癖が出ています。
欲しいものへ直接手を伸ばし、力そのものを示す(第三機能:Se)
忍の日常は驚くほど即物的です。ミスタードーナツ、それも「ゴールデンチョコレート」を暦にねだり、忍野メメに横取りされて拗ねます。物質創造で作り出すものは無駄にゴージャスで、貴族出身の名残とされました。性には開放的で、力を取り戻せば取り戻した分だけ外見も成長していきます。ENTJの第三機能Se(外向的感覚)は、いま目の前にあるものへ身体ごと踏み込み、力や存在感を見せつけて場を制する働きです。
彼女は策で搦め手を使うより、影から刃を出して正面から叩き潰す方を選びます。欲望も戦い方も回りくどさがなく、欲しいものと倒すべきものがそのまま行動になるタイプです。
表面的な愛情を拒み、認めた相手にだけ全てを預ける(劣等機能:Fi)
人間だった頃のアセロラ姫は「うつくし姫」として国民に愛されながら、表面的な愛情のみを向けられることにうんざりしていました。愛されているのに満たされないという感覚を、彼女は誰にも説明していません。ENTJの劣等機能Fi(内向的感情)は、本人が最も扱いあぐねる内面の領域で、押し込められた分だけ極端な形で噴き出します。
『傷物語』で瀕死の彼女が暦のために死のうとしたこと、名前と声を失った後は無口になって周囲を恨めしく睨み続けたこと、「メンタル面では色々と弱い部分が多く」性には開放的なのに純情と記されることは、どれも同じ場所から来ています。最強を名乗る存在の一番の弱点が、自分の感情でした。
名場面と名言・名セリフ
怪異の王として、従僕に死を命じる
死ぬがよい、我が従僕!
キスショット形態を代表する台詞として紹介されている一言です。相手は自分を救った暦であり、彼女にとっては眷属、つまり自分の下に置かれた存在でした。ENTJの優位機能Te(外向的思考)は、目的に沿って人を配置し、決定を下して外の世界を動かす機能です。彼女は交渉も説得もせず、まず立場を確定させてから話を始めます。
「お前様」という呼び方も、力を失った後まで残る王としての語法でした。頼るしかない状況でも命じる側の口調を崩さないところに、この構えの根深さが表れています。
愛されすぎた姫が、笑うことを自分に禁じる
ワタクシがうかつに笑うと、国が滅びますから。
人間だった頃、うつくし姫と呼ばれたアセロラ姫時代の台詞です。魔女に透明の魔法をかけられた彼女に、人々は自分の最も大切なものを捧げるようになりました。音楽家は両手首を、詩人は舌を、彫刻家は目玉を差し出し、国は死体の山となって滅びます。ENTJの劣等機能Fi(内向的感情)は、自分の内側の感情を持て余す部分です。
彼女はこの惨状を嘆くのではなく、笑わないという規則に落とし込んで自分を運用しました。感情を扱う代わりに管理してしまうやり方に、彼女の生き方が凝縮されています。
従僕でも主人でもある相手への、変わらない呼び方
お前様
『偽物語』の「かれんビー」でなし崩し的に和解して以降、忍が阿良々木暦を呼ぶときの一貫した呼称です。暦が定期的に血を吸わせなければ彼女は消滅し、暦もまた彼女なしでは不死性を保てません。相互が従僕であり主人でもあるという関係の呼び名がこれでした。ENTJの補助機能Ni(内向的直観)は、関係や状況を一つの像として捉え続ける機能です。
名前を奪われ、無口になって睨みつけるだけの時期を経てもなお、彼女は自分と暦の位置関係を言い直しませんでした。呼び方そのものが、六百年生きた存在の一貫性を示しています。
認知機能のスタック
4つの認知機能がどの順で働いているかを見ていきます。
Te(外向的思考)— 彼女は常に決定する側、命じる側に立ちます。『傷物語』では、人間に戻りたいと望む暦に対し、吸血鬼ハンター三人から自分の四肢を回収してくるよう命じました。最初の眷属である死屍累生死郎を初代怪異殺しとして世に出したのも彼女です。Teは、目的に対して人と手段をどう並べれば結果が出るかを判断し、外界を実際に動かす機能で、キスショットの「高慢横柄で饒舌」という評はその表れでした。名前も力もほとんど失って暦の影に棲むようになった後でさえ、忍は対等以上の口調を崩しません。立場を先に確定させてから話を進めるという順序が、彼女の会話の基本形になっています。
Ni(内向的直観)— 六百年近く変わらない「太陽打倒」という目標が、この機能の分かりやすい証拠です。Niは断片から一つの帰結像を掴み、そこへ向けて長い道筋を引く機能で、彼女の場合は時間の単位が人間離れしています。『傷物語』の終盤、暦が人間に戻るには自分を殺す必要があると理解した彼女は、あえて人を食う場面を見せつけて暦を追い込みました。残虐に見えた行動の実体は、先に描いた結末へ相手を運ぶための演出です。羽川翼の言葉によって暦がその企図に気づいたとき、瀕死の最強が暦のために死のうとしていたことが明らかになりました。目の前の勝敗ではなく、その先に何が残るかで動く思考です。
Se(外向的感覚)— 忍の欲求は驚くほど直接的です。ミスタードーナツのゴールデンチョコレートを暦にねだり、忍野メメに横取りされて拗ねます。物質創造で生み出すものはいちいち豪奢で、貴族出身の名残とされました。性には開放的で、力の回復に比例して外見そのものが成長していきます。Seはいま目の前にあるものへ身体ごと踏み込み、存在感と力で場を制する機能です。彼女の戦い方も同様で、搦め手より影から刃を伸ばして正面から叩き潰す方を選びます。ENTJの第三機能として、この即物性は普段は生活の楽しみとして、戦闘では圧倒的な破壊力として現れます。
Fi(内向的感情)— 最強を名乗る彼女が唯一扱いきれないのが、自分の感情です。人間だったアセロラ姫は、うつくし姫として国民に愛されながら、表面的な愛情しか向けられないことにうんざりしていました。Fiは自分の内側の価値と感情を扱う機能で、ENTJでは最も未熟な部分として現れます。名前と力を失った直後、彼女は無口になって周囲をいつも恨めしく睨んでいました。言葉にできない分だけ態度が固まってしまうのです。メンタル面では弱い部分が多く、性に開放的でありながら純情と記されるちぐはぐさも、暦への複雑な感情を整理しきれないままの関係も、この機能の未熟さから来ています。
人間関係と相性
忍野忍と関わりの深い人物との相性を、性格タイプの観点から見ていきます。
阿良々木暦(INFP)── ENTJとの相性
忍野忍(キスショット)と阿良々木暦は、シリーズ全体の起点になった二人です。高校2年の春休み、四肢を奪われて瀕死だったキスショットに暦が自分の血を差し出し、彼女を救うと同時に自身も吸血鬼になりました。その後は忍野メメの仲介によって、暦は「吸血鬼もどきの人間」という中間の立場に落ち着き、忍は名前と力の大半を失って暦の影に棲む存在になります。
従僕でありながら主人でもあるという奇妙な上下関係が、そこで固定されました。忍が暦を「お前様」と呼び続けるのは、力を失ってなお命じる側の語法を手放していないからです。ENTJの優位機能Te(外向的思考)は、まず立場と役割を確定させてから話を始めさせる機能で、忍は最も弱った局面でさえその順序を崩しませんでした。
対する暦はINFPで、優位機能Fi(内向的感情)が自分の内側の基準を最優先します。血を差し出すという選択も、損得ではなく自分が納得できるかどうかで決めたものだと読めます。命じるTeと、命じられずとも自分の理屈で動くFi。噛み合わないはずの二つが、互いを生かさなければ自分も終わるという条件によって縛り合っている構図です。
忍の劣等機能Fi(内向的感情)が最も扱いあぐねる領域を、暦は優位機能として持っている。この非対称が、二人の関係を単なる主従にも相棒にも収まらないものにしています。
羽川翼(ENFJ)── ENTJとの相性
忍野忍(キスショット)と羽川翼は、日常的な交流というより、一つの事件を通して結び付いた二人です。『猫物語(黒)』でブラック羽川を鎮めたのは忍であり、その功績に対して忍野メメから「忍野忍」という名前が与えられました。力の大半を失っていた彼女が名を得るきっかけになった相手が、羽川だったわけです。ENTJの補助機能Ni(内向的直観)とENFJの補助機能Ni(内向的直観)は同じ機能で、二人はどちらも、この状況の先に何が残るかを先に見てから動くタイプだと読めます。
ただし優位機能が違います。忍のTe(外向的思考)は結果に届く手段を選んで外の世界を直接動かし、羽川のFe(外向的感情)は周囲の感情の場を整えることで人を動かします。ブラック羽川という現象は、羽川がFeで押し込め続けたものが外へ出た姿と説明できます。つまり、感情を場の側で処理しようとして溜め込んだ結果を、感情を最も苦手とする忍が力ずくで収めたことになります。
忍の劣等機能Fi(内向的感情)は自分の感情を扱えませんが、他人の感情の暴走を止めることにはためらいがありません。羽川にとってはそこが救いになり、忍にとっては名前という結果になりました。互いの不得手の裏側を、意図せず補い合った関係と言えます。
忍野メメ(ISTP)── ENTJとの相性
忍野忍(キスショット)にとって忍野メメは、彼女の立場を何度も書き換えた相手です。『傷物語』で忍野は暦とキスショットの間に立って交渉し、暦を「吸血鬼もどきの人間」という落としどころに収めました。さらに彼は、キスショットから本人にすら気付かれずに心臓を抜き取っています。最強の怪異が自分の身体の中心を奪われたことに気付かなかったという一点だけで、この専門家の底の知れなさが分かります。
そして『猫物語(黒)』でブラック羽川を鎮めた功績に対し、「忍野忍」という名を与えたのも彼でした。ENTJの優位機能Te(外向的思考)は、目的に対して人と手段を配置し、正面から結果を取りにいく機能です。対するISTPの優位機能Ti(内向的思考)は、外に宣言せず自分の内側だけで構造を組み立てる機能で、補助機能Se(外向的感覚)が必要な瞬間に最短の一手を実行させます。
忍が命じてから動く順番なら、忍野は動いてから初めて結果が見える順番です。力の総量では圧倒的に忍が上のはずなのに、交渉でも心臓でも名前でも主導権を握ったのは忍野の側でした。ENTJの見通しの外側から手を入れられる相手として、彼は彼女にとって数少ない格上に位置していると読めます。
死屍累生死郎(ISFJ)── ENTJとの相性
死屍累生死郎は、キスショット(忍野忍)が最初に作った眷属です。生前は直江津地方の良家の出で、大規模な退魔師集団の長でした。神として祀られていた彼女のもとを部下とともに訪れて交流を重ねますが、彼女の存在が「くらやみ」を呼び、村人も部下も全滅します。自身もくらやみに飲まれて死んだ後、南極へ脱出した彼女の手で吸血鬼として再生されました。
そして彼女が吸血鬼だと知ると激しく憎み、自らの血肉から怪異殺しの剣「心渡」を作り出しています。救われた相手そのものではなく、救われた形を否定する武器を自分の身体から生み出したわけです。ENTJの優位機能Te(外向的思考)は、目的に沿って人を配置しますが、そこに置いた相手が何を感じるかまでは計算に入れません。
忍は彼を眷属という役割として世に出しましたが、その役割を与えられた側の内面には手が届いていなかったと読めます。ISFJの優位機能Si(内向的感覚)は、自分が積み上げてきた過去と守ってきた人々の記憶を判断の土台にする機能です。彼にとっては全滅した部下と村の記憶こそが動かせない基準であり、そこを踏み荒らした存在は、たとえ自分を再生させた相手でも許容できません。
忍の劣等機能Fi(内向的感情)が最後まで見落とすものを、この眷属は最も重い形で突きつけた相手だと言えます。
ドラマツルギー(ESTP)── ENTJとの相性
ドラマツルギーは、『傷物語』でエピソード、ギロチンカッターとともに3人組でキスショット(忍野忍)を襲撃し、右脚の膝から下を奪ったハンターの一人です。ただしキスショットは彼を、他の2人と比べて「物分かりのよい」人物と評しました。四肢を奪い合った敵同士でありながら、彼女の側にも一定の評価があったわけです。
彼自身も元人間の吸血鬼で、「吸血鬼を狩る吸血鬼」「53人の同胞を持つ同属殺しの吸血鬼」と称されます。ENTJの第三機能Se(外向的感覚)は、搦め手より正面から力そのものを示すことを選ばせる機能で、忍の戦い方はまさにそれでした。ESTPはそのSeを優位機能に持ちます。つまり二人は同じ土俵の言語で戦っており、キスショットの評価もここから説明できます。
手の内が読める相手、勝敗の付け方に納得がいく相手だったということです。違いは順番にあります。忍はTe(外向的思考)とNi(内向的直観)で先に結末を描いてからSeを使いますが、ESTPは目の前の状況にSeで踏み込んでから補助機能Ti(内向的思考)で筋を通します。長い時間軸を持つ王と、その場の最適解を積み上げる狩人。
敵対しながらも噛み合ったのは、両者ともに結果を身体で示す流儀を共有していたからだと読めます。
エピソード(ESTP)── ENTJとの相性
エピソードは、キスショット(忍野忍)の四肢を奪った3人のハンターのうち、左脚を奪った人物です。人間と吸血鬼のハーフであるため吸血鬼特有の弱点を持たず、吸血鬼を嫌う一方で、吸血鬼を嫌う人間もまた嫌うという立ち位置にあります。どちらの側にも属さないまま、どちらへも刃を向けられる存在です。『終物語・中』では臥煙伊豆湖の依頼で再来日し、「ソード」と呼ばれました。
対する忍は、自分が何者かを一度も疑ったことのない人物です。怪異の王として振る舞い、力を失ってなお命じる側の語法を手放しませんでした。ENTJの優位機能Te(外向的思考)が、まず立場を確定させてから話を始めさせるからです。エピソードの立ち位置は、その確定を自分では持てないところにあります。ESTPの優位機能Se(外向的感覚)は、いま目の前にあるものへ身体ごと踏み込む機能で、彼はハーフという曖昧さを抱えたまま、目の前の相手と戦うことだけは即断できる人物だと読めます。
所属で自分を定義せず、行動で定義するわけです。同じ襲撃者でも、ドラマツルギーが力の格として忍と噛み合ったのに対し、エピソードは自己の置き方そのものが忍と正反対でした。奪われた側と奪った側という以上に、立場の持ち方が対照的な二人です。